老後のために資産運用をこれからはじめようという時、何よりもまず初めに考えるべきポイントはリスクです。
資産運用と言うとどうしても増やすことに目を向けがちですが、リスクとリターンは表裏一体。リターンが高い投資商品は同時にお金を減らすリスクも高いものです。そのことを知らずに資産運用をはじめることはギャンブルと同じことに成りかねないのです。
では、失敗しないためにはどういったことが必要でしょうか。
まずは資産運用のリスクを知ろう
以下のように、資産運用の投資商品には様々なリスクが存在します。
- 商品を扱う会社の信用リスク
- 商品そのものの商品リスク
- 通貨の種類による為替リスク
- 国や地域による経済リスク
- 運用期間で生じる時間リスク
中でも、経済的なものと時間的なものは資産運用をする上でとても重要になります。資産運用は、その人それぞれの目的を達成する為、今あるお金を未来のお金として価値を運ぶ為の手法です。
世の中の経済活動において、その瞬間で見れば変動は激しいものの、長い目で見れば物価は間違いなく上がっていきます。従って、自分の目的を達成する為の資産運用の手法(商品)を選択する時には、時間や経済状況に応じた選択方法が必要になります。
老後を見据えた資産運用
この選択時にそれぞれのリスクを加味できるか否かで、その後の結果を大きく左右することもあります。例えば、50歳の方が老後の生活を支えるお金として現金1,000万と10年後の退職金2,000万をどう運用するかを考えるとします。
目的は老後の生活費ですから、株式やFX等、生活のお金として短期間で大幅に増減するリスクのある商品に、すべての資金を投資することはおすすめできません。また、通常20年以上かける長期運用の手法も適切とは言えません。
期間は15年~20年程度までの中期で、老後生活を守るお金ですから危険性も高すぎず、多少の流動性がある商品や手法を中心に選択するのが良いでしょう。
リスクの高い投資と低い投資を組み合わせる
また、商品や手法をバランス良く分散投資することでも全体のリスクを抑えることができます。その時の考え方も、上記の考え方と同じです。
例えば、上記の例では、株式等はリスクが高めではありますが、ネット銀行の定期預金や生命保険、ワンルーム等の不動産投資など比較的低リスクの商品と株式投資を掛け合わせることで、株式で損をする可能性を他の手法でカバーし、リターンの期待値を上げることができます。
まずは少額からはじめ、バランス良く投資
しかし、これから資産運用を始める方が、十分な投資知識がないままあれもこれもと同時に手をつけると、虎の子の老後資金を減らすことになります。リスクが高い投資も少額で運用すれば、リスクは低いと言えます。
まずは小さなリスクから始め、徐々にそのリスクを大きくしていきながら危険性の分散とバランス調整をしていくのが良いでしょう。
老後資金確保のために初めて資産運用をはじめてみようという方は、まずは少額からスタートし、それぞれの商品のリスクや特性をご自身で体感してみることが重要です。