FX(外国為替証拠金取引)の基礎知識
FXは、外国為替証拠金取引(Foreign exchange)の略称で、複数の通貨を交換することで、為替の差益や差損が生じ、これを活用して利益を出す投資手法の1つです。
証拠金という資金を業者へ預託することで、通常の取引の何倍もの資金を動かすことができます。その為、為替差益を何倍にも増幅した取引を可能にしています。(逆に、小さな資金でも大きな取引をすることができるとも言えます)ただし、利益だけでなく損失も倍増しますから、リスクも高い取引になります。
その手法は様々で、取引期間も数秒単位で行われるスキャルピング、1日単位で行われるデイ、それ以上で行われるスイングと手法が分かれています。例えば、レバレッジ100倍で1ドル100円の時に100万円の証拠金から1万円でドルを買う取引の場合、1ドル101円の時に売ると100円の利益ではなく、その100倍の1万円の利益を生み出すことが可能になる、ということです。
為替は時々刻々と変化していますから、FX取引で利益を継続ようと思うと、何より時間が必要になります。そして相当な知識や技術、経験が必要になります。アベノミクスの影響で為替が短期間に一気に上昇しましたが、長い目で見れば上昇したことがわかります。しかし、その瞬間瞬間では、為替は小刻みに上下を繰り返して徐々に上がっていったのです。
FXではレバレッジによって大きな額を動かす為、1円以下の微々たる為替変動でも大きな利益や損失に繋がります。為替の動きは確実に読むことはできません。いくら技術や経験が豊富でも、時代が激しく動く局面ではなかなか難しい取引にもなります。従って、一瞬一瞬の取引にかけるプレッシャーもかなり大きなものになりますから、取引中のメンタルも強く持たないとギャンブルと同じことになりかねません。
「FXで儲かった」という話は時々耳にします。その額は相当大きなものであることが多いです。しかし、「FXで儲け続けている」という話はほとんど聞いた事がありません。それだけリスクの高い手法ということです。
もちろん、長い目で考え、少しずつ少しずつ利益を積み重ねる手法や、完全余剰資金から初めてみるのは良いかもしれません。ただ、これから老後の資産形成と考えるには、少し難易度が高い運用手法かもしれない、という点は否めないでしょう。