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リフォームする時のポイントや補助金、減税の活用

自宅のバリアフリー化の重要性」のページでは、定年後も今の持ち家に住み続ける場合、バリアフリー化の重要性やリフォームにかかる費用について書きましたが、ここでは実際に自宅をリフォームする場合のポイントや支援制度のご紹介をします。

自宅をリフォームするときのポイントは?

やはり高齢者のリフォームは「自宅のバリアフリー化」を最優先に検討するべきでしょう。現在夫婦二人で自宅に住んでいるなら、今後どちらかが片方を介護する可能性は高く、その時に不自由がないよう自宅を改修しておきたいところです。

自宅で親の介護を経験した方ならお分かりでしょうが、バリアフリー化していない自宅で高齢者の介護をするのはかなり大変です。段差の解消や廊下の幅、トイレやお風呂の出入り口など、車いすでの移動が困難な場合、自宅での介護は介助者にとって大きな負担になります。まだまだ元気な50代や60代のうちは想像がつきにくいですが、70歳前後には身体的な障害が現れはじめるので、それまでには「介助のしやすい自宅」を目指しましょう。

実際に自宅をバリアフリー化した友人の話を聞いたり、インターネットでリフォームに関する情報を収集しておくのもよいでしょう。

バリアフリー化のポイント

  • 段差を解消したり段差のある場所に手すりをつける
  • 利用する部屋を1階に集中させる(必要なら間取りの変更)
  • 床をすべりにくい材質に変更する
  • 玄関、トイ、お風呂などに手すりを付ける
  • 浴槽を低いものに変える(またぎも低くする)

合わせて検討したい耐震化や省エネ化

リフォームの際に合わせて検討したいのが、耐震化省エネ化です。1981年に建築基準法が改正され耐震基準が強化されており、自宅の耐震化で高齢者でも安心して老後生活を送れるでしょう。オール電化や太陽光発電などの『省エネ化』も、光熱費の削減だけではなく、火災防止などの側面もあります。

もちろんすべてに対応すればリフォームの費用は膨らむばかりなので、予算の中で優先順位をつけ、ご自身の自宅の状況に合わせたリフォームを選択しましょう。

耐震化や省エネ化のポイント

  • 自宅の耐震診断を受ける
  • 倒壊を防ぐ構造の補強、補修
  • 家全体の断熱改修
  • 2重サッシなどによる窓の断熱改修
  • オール電化や太陽光パネルの設置

住宅リフォーム関連の支援制度の活用

定年後も自宅に住み続けるためのリフォームや、高齢化に伴うバリアーフリー化が必要だとわかっていても、年金生活の世代にとっては資金面で厳しいのが現実。

「リフォームはしたいけどまとまったお金が・・・」そんな時に活用したいのが、公的な補助金や支援制度です。高齢者対象のリフォームローンや減税措置など、知っている人だけが得をする制度があります。

高齢化対策用のリフォームには補助金がある

介護保険の在宅サービスには、「住宅改修費の支給」という補助金制度があります。介護保険の認定を受けている在宅の方が、リフォームの際に利用できる高齢者の事故防止や自立支援のための制度です。手すりの取り付け、段差解消、すべり防止の床材の変更、洋式便器など、さまざまな小規模リフォーム工事が対象になっています。

介護保険から助成されるリフォーム費用の上限は20万円。自己負担は一割なので、18万円までが補助金として支給される仕組みです。(20万円を超える場合は20万円までが該当)

総額20万円までを限度として次回に繰り越すことも可能なので、二度に分けて10万円ずつ申請することも可能です。仮に夫婦とも介護保険の認定を受けた場合は、40万円までが補助金の対象になり、要介護度が3段階以上あがったり転居した場合は再度利用することができます。

介護保険の制度を利用し補助金を受けるには事前の申請が必要です。必ず申請後審査が通ってからリフォーム工事を始めましょう。補助金を受け取るには、領収書、工事費内訳書、改修完了確認書などの必要書類を揃え、市町村の介護保険課に届け出ます。詳細は各市町村の窓口で確認してください。

各自治体の住宅リフォームの支援制度

介護保険制度とは別に、高齢者や障害者向けに住宅リフォームの助成金や補助金を支給している自治体もあります。助成額は実施している市町村により異なるので、自治体の相談窓口に相談してみてください。

住宅リフォーム支援制度検索
地方公共団体が実施する住宅リフォーム支援制度を都道府県・市区町村ごとにインターネットで検索できます。(一般社団法人住宅リフォーム推進協議会)最新の情報については各地方公共団体にお問い合わせください。

税金が安くなるリフォーム減税制度

耐震・バリアフリー・省エネなど一定の要件を満たせば、住宅リフォームに関する各種の減税制度が受けられます。控除対象限度額を上限として工事費用の10%が入居した年の所得税から控除されます。(確定申告が必要)

これらの税制優遇制度は知らないと損をします。また減税制度は改正される可能性があるので、最新情報を注視することが必要です。減税のほとんどが所得税の控除なので、定年前で所得のある方は是非利用したい制度です。

リフォネット(減税)
リフォーム支援ネット「リフォネット」は、公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターが運営するインターネットサイトです。現在利用できる住宅リフォームに関する減税制度について詳しく解説しています。

リフォームローンの活用

助成や補助金を受けても資金が足りない場合や、大規模リフォームで自宅全体を改修したい場合は、資金面で支援する公的融資や補助制度を活用しましょう。

代表的なものとして、高齢者居住支援センターの「高齢者向け返済特例制度」があります。この制度の特徴は、生前中は利息分の支払いのみで、借入金の元金は利用者本人が死亡した時に相続人が一括返済するか、住宅を処分して元金を返済する制度です。

高齢者居住支援センターが連帯保証人となることで、支払いが利息分のみとなり家計の負担が少なくすみます。ただし、あまり長生きすると利息だけでも大きな金額になることと、住宅と土地が担保になり処分で返済できない場合は、相続人が返済することになるので注意が必要です。事前に相続人と相談しておきましょう。

高齢者向け返済特例制度の概要
対象者 60歳以上(上限なし)
対象となる住宅 工事完了後の住宅部分の面積が50平方メートル以上の住宅
対象となる工事 バリアフリー及び耐震改修
抵当権 建物と土地に第1順位の抵当権の設定が必要
融資限度額 1,000万円
返済方法 毎月の支払いは利息のみで、死亡時に元金一括返済
金利 全期間固定1.64%または1.84%
連帯保証人 高齢者居住支援センター
手数料 保証料(借入金額×1.5%)
事務手数料(100万円以上36,750円)

リフォームローンも減税の対象に

バリアフリー改修促進税制、省エネ改修促進税制(所得税)
高齢者などがローンを借り、リフォームをした場合はローン型減税が利用できます。対象となるのはバリアフリーまたは省エネのリフォームで、年末ローン残高を上限に工事費の2%またはは1%が5年間、所得税から控除されます。各種要件を満たす必要があり、2017年12月31日までのリフォーム工事が対象となります。
住宅借入金等特別控除(所得税)
住宅ローンを組み、対象となる耐震改修工事やバリアフリー、省エネなどのリフォームを行った場合、年末のローン残高の1%が所得税額から控除されます。ただし、リフォームの工事費が100万円以上、償還期間10年以上の住宅ローンなどといった要件を満たす必要があります。また、前述の「住宅リフォームに関する減税制度」と併用できないものもありますのでご確認ください。
これらの公的支援制度は十分な広報がされておらず、知っている人だけが得をする制度となっています。また制度内容や要件などが変更になる場合があります。最新情報の確認は各自治体やインターネットなどを活用してください。

実際にリフォームを検討する場合業者選びが重要です。悪徳業者に引っかからないための情報は「失敗しないリフォーム業者の選び方」を参考にしてください。

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