定年後は必然的に自宅で過ごす時間が長くなります。老後の生活の中でも多くの時間を過ごす「住まい」は重要。豊かなセカンドライフのことを考えると、できるだけ心地よく快適な生活を送ることができる住まいを準備したいものです。そのためにはどんな老後生活を送りたいのかをイメージしておくことが大切です。

どんな老後を送りたいかによって住まいが決まる
老後の住まいは生活スタイルによる
田舎で畑をいじってのんびり暮らしたいのか、こどもの近くで孫の成長を見たいのか、今までのコミュニティを大切にしたいのかなどなど。自分が送りたい生活スタイルによって、住む場所はおのずと決まるでしょう。
次に重要なのがお金。十分な老後資金の準備がある方は住む場所も、持ち家・賃貸などの選択肢も豊富です。住宅ローンを完済した方なら、持ち家を売却して新たな生活を始めることもできるでしょう。
一般的にはご自身の老後資金を試算し、『終の棲家』にかけれる費用の中から自分が理想とする老後の住まいを選択することになります。
まだセカンドライフまで時間の余裕がある方は、今のうちから老後の住まいのイメージを具体的にし、理想の住まいにかかる費用などを調べ、資金計画を立てることになります。
夫婦で老後の住まいの考え方を共有する
老後の住まいを決める際に、最も重要視したいのが、夫婦間で「老後の住まい」に対する考えを共有しておくこと。冒頭でも述べましたが、定年後は自宅で過ごす時間が圧倒的に長くなり、必然的に夫婦で過ごす時間も長くなります。
長く寄り添った夫婦とはいえ、男女で「老後の住まい」に対する考え方が違うのは一般的。夫が定年後は田舎暮らしをしたいというのに対し、妻は市街地のマンションで便利な暮らしをしたいというのはよくある話です。いざいう時に夫婦の意見が合わずにお互い理想のセカンドライフが送れないことがないよう、50代のうちから老後の住まいのことを話し合う機会をつくり、お互いの考え方を知っておくことが必要です。
老後の住まいの選択肢
老後(とくに定年後)の住まいの選択肢は大きく分けると次のようなパターンがあります。
- 今の持ち家に住み続ける
- 市街地のマンションなどの賃貸暮らし
- のんびり田舎暮らしをする
- あこがれの海外移住
- 高齢者用の施設に入居する
退職後と高齢期に望む住まいの違い
では世間のグラジェネ世代は、老後の住まいをどのように考えているのでしょうか?以下国土交通省の調査結果によると、退職後と高齢期では住まい選びの考え方が異なっています。
退職後は田舎やリゾート地に暮らしたいという人が半分近くの48.6%と一番多く、街中を希望する人は20%。しかし高齢期は、「まちなかや都市の中心部」に暮らしたい人が34.9%とかなり増えていることがわかります。
リタイア後はのんびり田舎で暮らしたいという人が多い一方、年を取ると病院や買い物など利便性の高い都市部でのマンション暮らしが人気のようです。
それぞれにメリットやデメリットがあり、かかる費用も千差万別です。まずは様々な選択肢を知り、それぞれの情報を集めることがスタートです。健康状態が変わる70歳過ぎを見据えて、老後の住まいの準備をすすめましょう。