リウマチの症状と経過
関節リウマチの特徴的な症状
リウマチのつらい痛みの原因は「炎症」
関節リウマチの特徴的な症状は、関節の腫れと痛みです。そしてこの腫れと痛みの原因は関節に起こる「炎症」です。
炎症は外からの様々な刺激からからだを守る防御反応のひとつで、傷などを負った直後に炎症がはじまり修復が終わるまで続きます。また、ねんざをしたときなどは筋肉の中で炎症が起こっています。傷やねんざの痛みや腫れ、発熱などは炎症反応のもたらす結果なのです。
これらと同じくからだの中に異物が侵入した時にも炎症反応が起こり、異物を排除するまで続きます。リウマチ性疾患のひとつである「痛風」の場合、尿酸という異物が体内に溜まり過ぎると攻撃が始まり炎症が起こります。つまりこの尿酸の溜まり過ぎを治療することで、痛みや腫れなどの症状を緩和することができます。
ところが、関節リウマチの場合攻撃対象が外部の異物ではなく、自分のからだの成分にあるとされています。そのため攻撃対象を取り除くのが難しく、根本的な治療法がないといわれています。
関節に炎症が起きる仕組み
関節とは、全身に68個ある骨と骨をつなぐ部分のことを指します。関節は二つの「骨」と軟骨、滑膜、関節腔、関節液、これらを包む「関節包」で構成されています。
関節には隙間があり、関節液という液体で満たされていて、骨の先端には「軟骨」がクッションの役割を果たしています。軟骨は加齢とともに、体重のかかる部位などからすり減り、老化によるリウマチ性疾患の変形性関節炎も軟骨の変化が原因とされています。また「関節液」は関節をスムーズに動かすための潤滑油であり、この関節液を分泌している「滑膜」に炎症が起こると関節に腫れや痛みが起こります。
炎症が起こる場所
炎症がおこりやすい関節は、ひじや手首、指などの手周辺や、股関節、膝、足首、足の指などの足まわりです。多くの場合複数の関節で同時に、しかも左右両方に炎症がおこるという特徴があります。
これを多発性関節炎と呼び、はじめは1カ所の炎症がゆっくりと全身の関節に広がっていきます。最初は、手足の指や手首の小さな関節に現れることが多く、特に指の第二関節と第三関節から腫れてくることが多いようです。
また日本人の場合特にひざに症状が出やすく、関節液が貯まって大きく腫れることがあります。
関節リウマチは関節を動かしたり、体重がかかったりするとひどく痛み、腫れてうずくような痛みがあります。関節リウマチの痛みは朝に強く出て、日中動いてるうちにやわらいでくることも多いです。
リウマチの症状の経過
リウマチの初期の段階では、経過を予測することは難しいものです。なぜなら関節リウマチの経過は様々なタイプがあるからです。どちらにしてもリウマチを早期に発見し、治療を開始することでリウマチの進行を食い止めることが可能なため、早めに診断することが重要です
- 単周期型
- リウマチの症状が数週間から数か月続きその後は再発が見られないタイプ
- 多周期寛解型
- リウマチの症状に波はあるものの、だんだんと良くなるタイプ
- 多周期憎悪型
- リウマチの症状が良くなったり悪くなったりしながら病気が進行していくタイプ
- 進行型
- リウマチが良くなることがなく、悪化の一途をたどるタイプ