全身にあらわれるリウマチの合併症
関節リウマチは全身性の病気で、進行すると関節にとどまらず全身に症状があらわれます。関節リウマチの炎症が全身に及んだ結果、関節の症状以外にも以下の様な様々な合併症を引き起こすことがあるので、関節リウマチによる合併症の予防と早期治療のためには定期的な検査が必要です。
関節リウマチの合併症の種類
- 皮下結節(リウマチ結節)
- 関節リウマチ患者の10~25%くらいにみられる合併症といわれます。皮膚の下に1~2cmのかたいこぶ状のしこりができます。ひじやひざ、かかとなどの骨がでっぱっていて圧迫されやすい場所にできる。リウマチの活動性が高いときによくみられる症状で、痛みはなく小さくなったり消えることもある。
- 肺の炎症(関節性肺炎・胸膜炎)
- 関節性肺炎とは、肺の間質という組織に炎症が起こることをいいます。動くと息切れしたり、呼吸が苦しくなったりします。さらに間質が線維化して硬くなると、肺線維症という病気に進行し肺の機能が低下します。胸膜炎は胸膜に腫れが起こり、肺に水がたまり、発熱やせき胸痛が起こります。
- 眼の炎症(上強膜炎、強膜炎)
- リウマチの合併症は眼にもあらわれます。眼球を含む強膜という部分に炎症が起こると、角膜が充血したり目の痛みや視力障害を起こすことがあります。また、シェーグレン症候群という病気を合併すると、涙腺に炎症が起こって涙が出にくくなり、目がごろごろして痛んだりします。
- 血管の炎症(リウマチ性血管炎)
- 血管の炎症である血管炎が起きると、全身に酸素や栄養が十分行き渡らなくなり、さまざまな臓器に病気が起こります。こうなると治療が難しく、血管炎が多いタイプの関節リウマチは特に「悪性関節リウマチ」と呼ばれ難病に指定されています。
- 心筋炎・心膜炎
- 心臓にいく血管に炎症が起こると心筋炎や・心膜炎といった病気が起こり、動機や息切れ、胸痛などの症状が表れる。
- からだのだるさや疲労感
- 関節リウマチの患者は全身のだるさや疲労感を訴えることがあります。炎症がひどいときは微熱が出たり、食欲がなくなり体重がひどく減少することもあります。
- 貧血
- 関節リウマチの患者の方のほとんどが合併症として貧血を併発します。その特徴は、血液中の鉄分が低下すると同時に鉄分を吸収する能力も低下してしまうため、治療で鉄剤を服用してもあまり効果がない場合があります。ただし、関節リウマチの治療を進めれば貧血も改善に向かいます。