これまで、老後にかかる生活費を様々なデータから見てきましたが、一番気になるのは「結局、老後資金の必要額としていくら貯めればよいか?」ということだと思います。
『老後の生活費はいくら必要?』のページでは、恵まれている現在のリタイア世代でさえ、定年後の生活費は毎月5万円足りないのを確認しました。
老後のための十分な蓄えや、定年後の収入がないと老後生活が破たんするのは火を見るよりも明らか。そうならない為には、定年までに不足額を貯蓄しておく必要があります。
老後資金の計画は財産のチェックからはじめる
実際にみなさんが老後の資金の計画を立てる際には、まず今現在家計の資産と借金がいくらあるのかを把握しておきましょう。
例えば50歳の方で持ち家の方であれば自宅は資産となり、同時に住宅ローンが残っていればそれは借金となります。様々な資産と借金を洗い出して、借金の方が多い場合は、老後の資金としてプラスして考えておく必要があります。
家計の財産を借金を洗い出しておく
以下は家計の主な資産と借金をリストアップしたものです。資産は現金に換えることができるもので、借金は主にローン。家計の財産が現在いくらあるかは、今後の計画に影響するので。
家計の資産
- 自宅や土地
- 普通預金や定期預金などの預貯金
- 終身保険や個人年金保険など貯蓄性のある保険
- 株式や投資信託
家計の借金
- 住宅ローンや車のローン残高
- キャッシングの残高
特に持ち家は購入した値段ではなく、今現在の価格(今売るといくらになるのか?)で計算しておくのがポイントです。定年後に便利な賃貸マンションに住み替えたり、田舎に移住したりする可能性もあります。その時に建物の価値はほとんどないでしょうから、土地のみの価格で考えておく方が無難です。
生命保険のうち貯蓄性のあるものは、満期の時の解約返戻金も調べておきましょう。
定年までに借金は0にしておきたい
いかがでしょうか? 資産の方が多い場合は、老後資金として準備するお金の負担が減ることになり、借金が多い場合は、定年後までにクリアできるかどうかを検討してください。収入源が限られる定年後に住宅ローンなどの返済があると、頭の中が老後に対する不安でいっぱいになってしまいます。
借金を定年後まで持ち込むことになるのかどうかによって、必要な老後資金が変わり、資産が残りそうなら余裕を持った資金計画が立てられます。老後資金の計算の前にまず家計の財産チェックをしておきましょう。