老後のお金のことで一番気になるのが老後に受給できる年金の額でしょう。では、実際のところ自分の年金はいったいいくらもらえるのでしょうか?もらえる年金額の予定が立たなければ、定年後の必要資金の資産、ひいてはセカンドライフの生活プランを立てることができません。
自分がもらえる年金額はいくらなのかを調べる方法
仮に今50歳の方が、15年後の自分が実際に受給できる年金額は、はっきりいうとわかりません。なぜなら年金財源は非常に切迫しており、15年後の受給額が立っていないからです。今調べられるのはあくまでも見込み額です。
(現在のリタイア世代がもらっている年金額は、「年金はいくらもらえる?平均受給額をみてみる」の記事を参照ください。)
年金の見込み額の試算は「ねんきん定期便」で確認
自分がもらえる年金額は、「ねんきん定期便」で簡単に確認することができます。「ねんきん定期便」は、平成22年より毎年誕生月に送られており、みなさんの手元にも届いているはずです。保管している人は、一度確認してみましょう。
ねんきん定期便は年齢によって記載内容が違う
「ねんきん定期便の封さえあけたことがない」という方は多いと思いますが、毎年チェックしている方ならご存じでしょうが、ねんきん定期便に記載されている内容は年齢によって異なります。
35歳、45歳、58歳と節目にあたる年度に送られるものには、年金加入当初からの詳しい情報がすべて載っています。過去の勤務先の名称や支払った年金保険料などです。
50歳以上は年金の見込み額がわかる
また、50歳以上の方に届くねんきん定期便にはこの先60歳まで現在の収入が続いた場合の、年金の見込み額が記載されています。50歳未満の場合は、今までの加入実績から試算した年金の見込み額しか記載がないので、定年までの加入も含めた試算を自分でする必要があります。(計算方法の記載もあり)
ただし、ここに記載されているのは、基礎年金を厚生年金の支給額のみです。会社勤めをしている人は、ベースとなる厚生年金に加えて企業独自の上乗せがある可能性があります。「思ったより少ない!」と慌てる前に、加入している厚生年金基金か企業年金連合会に問い合わせてみてください。 さらに、厚生年金に付く「加給年金」についても、記載がありません。 加給年金とは、厚生年金の扶養手当のようなもの。厚生年金に20年以上加入していて、65歳未満の配偶者がいる場合や18歳未満の子どもがいる場合に年金が上乗せされます。 配偶者であれば、年間227,000円+33,500円~167,000円の特別加算(夫の年齢による)という、それなりの金額です(平成23年度の場合)。妻が65歳になると加給年金はなくなりますが、生年月日や、厚生年金に20年以上加入していないことなどの一定の条件を満たせば、今度は妻の年金に振替加算が付き、こちらは一生受け取れます。 配偶者が年上で、すでに65歳になっている場合は支給がありません。あねさん女房の場合は原則として加給年金はもらえませんので、悪しからず。年金定期便のチェックポイント
- 年金定期便の封筒の色
- 注意したいのが、封筒の色です。水色ならばよいのですが、オレンジ色だと、要注意。年金記録が間違っている可能性があります。
- これまでの年金加入期間
- 作成月の前月末日までの年金の加入期間が記載されているので、年金受給の条件(原則300ヶ月)を満たすかどうかをチェックします。
- 「年金加入履歴」に間違いがないか
- そして、標準月額報酬(給料)と標準賞与額(ボーナス)におかしな点がないかを確認してください。 転職をしている人などは、記憶があやふやな部分もあり見過ごしてしまいがちですが、会社負担の保険料を安く抑えるため、勤め先の企業が低めに届けているケースもあるようです。 信じがたいことですが、企業から保険料を受け付けた側の旧社会保険事務所も、保険料の納付率を高めるために、改ざんに加担していたというのです。そうやって消された年金は、なんと144万件以上にものぼるといわれています。
不自然に低い金額や空白などがあったら、給与明細、給与振込に使用していた通帳などを引っ張り出し、見直してみることをおすすめします。疑ってかかるのは気持ちの良い事ではありませんが、給料やボーナスの額が実際より低くみなされていると、その分受け取れる年金額は減ってしまします。